ご存知ですか?モームの小説で、精読が学べることを 「大佐の奥方を訳す 英文翻訳術」

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【「英文翻訳術」がおすすめな人】

  • 翻訳者の思考を知りたい人
  • 精読の上級者を目指したい人
  • 洋書を読んでモヤモヤする人
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英語力の向上には、多読・精読のバランスが重要

多読は英語力の向上に効果があるとよく言われます。英語の上級者は十中八九、多読していると言ってもいいくらい。たしかに大量の英文を読むことは、英語の慣れに最適です。

でも多読をしていると、知らない単語・構文に遭遇しますね。知らない単語・構文には、「ウッ」と面食らいませんか?単語・構文をとれないと、ストーリーがぜんぜん把握できないですし。しかも英文解釈がうまくできていない英文をいくら大量に読んでも、理解できるようになりませんよね。肝要なのは、英文解釈の力を養ってから、多読するという順序。

私は多読はじめたての頃、一文一文をうまく理解できてないからかストーリーについていけなくなり、「この登場人物だれ?結局なにがいいたい物語なの?」となってしまうことがよくありました….いくら洋書の題材が素晴らしいものでも、読者の英語力がない状態だとその良さもわかりません。

【多読・精読のバランス】

  • 精読をやってから多読をする
  • 精読ができると多読をより楽しめる

精読力がつくと、洋書をすらすら読めるように

そうやっぱり精読力は必須、洋書をうまく読みとるには。精読力がついていくにつれて、多読中にわからないところがどんどん減っていきます。不明なところが減るから、多読で得られる情報がアップする。読解力がつくとますます多読がワクワクするものに。集中力も倍増。精読で「集中力×効率性」を手に入れられます。うんうん精読には脳にいいものがいっぱいつまってる。

精読力をつけるには、書籍で難しい英文に挑み精読のチューニングを合わせてみてもいいかも。わからない英文に出会ったら読み飛ばすのではなく、立ち止まり精読する。この積み重ねで作品を立体的に読み解くことができるようになりますよ。このように多読と精読には密接な関係があります。どちらか一方を重視するのではなく、多読と精読をバランスよく学ぶのが大事です!

【多読と精読をバランス】

  • 精読が2、多読が1のバランスで

精読おすすめ参考書

精読力をつけるためには、まず大学受験の参考書がおすすめ。その答えはかんたん。学習参考書は大学受験生を主に対象としているので、平易にわかりやすく説明されているためです。「ポレポレ英文読解プロセス50」、「英文読解の透視図」、「英文解釈教室」など名著がたくさんあります。難易度は易しいものから、「ポレポレ英文読解プロセス50」、「英文読解の透視図」、「英文解釈教室」と並びます。英文解釈に不安がある際には、易しいものからトライするといいと思います。

こちらの参考書を身につけたらほとんどの英文を理解できるようになりますが、読み解けない難しい洋書もまだまだありますよ。そのようなギャップを埋めて、ネイティブレベルに橋渡ししてくれる書籍は数が限られる。おすすめとしては、「別宮貞徳」や、「行方昭夫」の書籍、あとは「英文解体新書」などが挙げられる。

以下の記事でも英文解釈の本を紹介しています。

「洋書の英語が読めない」をラクにかえる!一流の読解力をつくる5冊
単語や英文法をみっちり学習したのに、「いざ洋書の英語を読んでみると、内容がぜんぜん入ってこない」なんてことありませんか?わたしはこれを大学受験のときに痛いほど感じ、勉強法をかえていったんです。具体的には英文解釈本をつかって、ひとつ...
すらすらリーディングの神ワザ「英文解釈の勉強法」【おすすめ参考書】
リーディングの正しいフォーム(精読=英文解釈)を学ぶために、英文解釈の「おすすめ参考書と勉強法」を紹介。これでTOEICも英字新聞も読める!難易度がカンタンなものから並べているから、順番にやっていただけると着実にリーディングの力がつく。

精読上級者になるには、「東大名誉教授と名作・モームの『大佐の奥方』を訳す 英文翻訳術」

そのなかでも当記事では、たのしく精読に取り組める本「東大名誉教授と名作・モームの『大佐の奥方』を訳す 英文翻訳術」を紹介します。楽しめる理由は、名作・モームの「大佐の大奥」がそもそもおもしろいから。その内容は、

淑女と思っていた妻が初めて書いた詩集がベストセラーに。その内容は人妻の不倫を詩にしたものだった。
創作なのか、実体験の告白なのか? 文学に縁遠く、プライドの高い夫の大佐がとった行動は?
緻密な原文の読み込みから、読みやすく心に溶け込む翻訳へ

この小説を題材に、行方先生が翻訳しながら精読を指南してくれる。「めちゃためになりそう… 一石二鳥どころでない。しかも小説自体が面白い」それに行方先生は翻訳者としても活躍されているので、プロの翻訳者がどのような思考で翻訳しているのかを知ることもできます。

こちらの書籍を二回ほど通読したあと英語の小説を読むと、読解できずにモヤモヤした部分がかなり解消できました。物語を立体的に把握できるようになり、ますます多読がたのしめるようになりました。

【名作・モームの『大佐の奥方』】

  • 直訳と翻訳を比べられるようになっている
  • モームの小説だから題材がまちがいない
  • プロの翻訳者がどのように訳しているかわかる
  • 英検・TOEICの高得点をねらえるようになれる

翻訳ができると、精読の力がついているということ

本書は左開きで、左側には「英文」と「原文の解説」、右側には「試訳」と「翻訳」があります。「試訳」は直訳のような文章で、日本語としてはやや理解しずらい。「翻訳」は「試訳」の日本語の言い回しや細かな表現を修正し、読みやすい文章にブラッシュアップされています。

具体的に見ていきましょう。P18の左ページでは、

‘I didn’t think it would interest you very much. Would you like a copy?’
Well, you know poetry isn’t much in my line, but — yes, I’d like a copy; I’ll read it. I’ll take it along to my study. I’ve got a lot to do this morning.’

語釈 : in my line 「専門で、趣味に合って」

と記載があります。

右側の「試訳」では、

「あなたがとても面白がると思いませんでした。でも一冊要ります?」
「そうだな、詩はあまり私の専門じゃあないのは、知っての通りさ。でもまあ、一冊もらおう。読むよ。書斎に持って行く。今朝はやることが多いんだ」

と記載があります。

「翻訳」では、

「あなたにはあまり興味ないだろうと思ったものですからね。でもいかが?」
「そうだね、その通り、詩はよく知らないんだが、まあもらっておくとしよう。読んでみよう。書斎に持ってゆく。いやあ、今朝は忙しいなあ」

と記載があります。

翻訳者の手にかかる、ここまでこなれた日本語になるかと感動をしますね。しかも試訳のほうはどうもぎこちなく、話の内容があまり入ってこない印象。
試訳では「とても面白がると思いませんでした」が、翻訳では「あまり興味ないだろうと思ったものですからね。」と変わっています。やはり翻訳文のほうが自然な文章ですよね。

書籍ではこの点

英語ではthink, believe, seemなどの弱い断定的な動詞の場合、I think + 否定文より I don’t think + 肯定文などのように、文頭で否定する文が好まれます。しかし、日本語の場合は「とは思わなかった」よりも「ないと思った」とするほうが流れのよい訳になることが多いのを覚えておきましょう。

と説明されています。

このような行方先生の翻訳の講義を通じて、読解の質が向上したように感じます。何度も通読できたのは、やっぱり題材の「モーム」の小説が面白いから。 途中からは小説のストーリーの続きが気になったため、さらに学習効率がブーストしました。

こなれた翻訳を生み出す練習を地道にするなかで、英語と日本語のギャップを埋められるようになりました。小説のストーリーを立体的に把握できるようになり、多読のモヤモヤ感がすっきり解消されるまでに。

【名作・モームの『大佐の奥方』の効果】

  • 直訳と翻訳を比べられるようになっている
  • 原文がより深く理解できる
  • 英語と日本語どちらも訓練できる
  • 精読ができると、翻訳もこなれてくる

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