昔、古代ギリシャという場所に、ヘラクレイトスという少し変わった性格の哲学者がいました。哲学者というのは、ものごとを深く考えたり、世の中の不思議を解き明かしたりする人たちのことです。
ヘラクレイトスは、「暗い人」というあだ名がついていて、いつも難しい顔をしているように見えました。ですが、彼の考え方はとてもユニークで、今でもたくさんの人に知られています。どんな人だったのか、そしてどんなことを考えていたのか、もう少し詳しく見ていきましょう!
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ヘラクレイトスの性格:ギリシャ哲学者の性格・特徴
ヘラクレイトスは「王様の家系」という、すごく高貴な家に生まれたと言われています。でも、そんな背景もあってか、彼はとてもプライドが高く、人と仲良くするのが苦手でした。友達も少なく、自分のことを「他の人とは違う」と思っていたようです。
ヘラクレイトスは自分のことをとても大切にしていて、誰かにアドバイスをもらうよりも、何でも自分で考えたがる性格でした。もし悩んでいるときには、他の人に相談するのではなく、「ちょっと待って、自分に聞いてみるから」と言って、自分自身に向き合って考えたのです。まるで自分の中に先生がいるみたいですね!
・友達少なく独自の考え
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ヘラクレイトスの最後と「水腫」の病気について
性格が独特なヘラクレイトスは、晩年になるとさらに人と接するのが嫌になって、山奥で一人暮らしを始めました。彼はそこで自然の中で暮らし、食べ物も雑草などを食べて過ごしていたそうです。でも、そんな生活のせいか、体がむくむ「水腫(すいしゅ)」という病気になってしまいます。水腫は体に水がたまる病気で、体がむくんでしまいます。
町に戻って医者に診てもらったものの、結局治りませんでした。そこで、彼は自分なりの治療法を考え出しました。牛のフンを体に塗って横になり、太陽の光で水分を蒸発させようとしたのです。
しかし、残念ながらその方法もうまくいかず、最後は亡くなってしまいました。さらに、亡くなった後も体がフンまみれで、人々に発見されるのが遅れたとも言われています。
・自然治療で命を落とす
ヘラクレイトス「万物は流転する」|現代の視点から
ヘラクレイトスは、「万物は流転する(パンタ・レイ)」という考え方で有名です。これは「この世のすべては変わり続ける」という意味で、全てのものはずっと同じ状態にはいない、ということを表しています。
ヘラクレイトスの哲学 川のたとえとその意味
たとえば、川の水を想像してみましょう。同じ川の中に入ったつもりでも、私たちが触れる水は少し前とは違う水です。川の水はずっと流れていて、同じ水がそこにとどまることはないからです。
このように、ヘラクレイトスは「変化することが当たり前」と考えました。
たとえば、私たちの体も毎日少しずつ変化していますし、季節も春、夏、秋、冬と変わっていきます。花も咲いたり枯れたり、夜が来てまた朝が来たりと、自然界でも常に変化が起きています。
ヘラクレイトスにとって、この変化は良いことでした。変化がなければ、何も新しいことは起きず、世界は止まってしまいます。彼は変化を恐れるのではなく、変わり続けることが自然の姿だと考えたのです。
・変化こそが自然の姿
対立が生む美しさ|ヘラクレイトスの考え方
ヘラクレイトスの考えには、もう一つ面白いポイントがあります。それは「対立するものがあるからこそ、美しい調和が生まれる」というものです。
たとえば、昼と夜、暑い夏と寒い冬といった反対のものがあることで、私たちの生活にはバランスが生まれます。
彼はこれを、ギターの弦になぞらえました。ギターの弦は、反対方向に引っ張る力がかかることでピンと張られ、美しい音を奏でます。もし片方の力だけが強かったり、逆に弱かったりすると、良い音は出ないでしょう。同じように、対立するものがあるからこそ、世界には美しい調和が生まれるのです。
ロゴスとは何か?ヘラクレイトスの視点から
ヘラクレイトスは、こうした調和の仕組みを「ロゴス」と呼びました。このロゴスは、すべてのものが変わり続けていても、全体としてのバランスを保つ不思議な力です。ヘラクレイトスは、このロゴスが世界をまとめ、変化の中にあっても統一を保つように働いていると考えました。
たとえば、私たちの体の中にもロゴスのような力が働いています。心臓が血液を送り、肺が空気を取り入れ、胃が食べ物を消化することで、体全体が健康を保っています。
もしどこか一部だけが勝手に動いたり、働かなくなったりすると、体全体のバランスが崩れてしまいますね。ロゴスもまた、世界全体が変化してもバランスを保つように働いているのです。
・昼と夜が生むバランス
ヘラクレイトスの哲学が現代に与える影響
ヘラクレイトスの考え方は、「変化は怖いものではなく、むしろ楽しむべきもの」というメッセージを伝えています。
私たちの毎日も、実は少しずつ変化しています。学校で新しい友達ができたり、季節が変わったり、成長してできることが増えたりと、変化の中で生きています。もし変化が怖くても、ヘラクレイトスの「万物は流転する」という言葉を思い出してみましょう。変わり続けることは自然なことで、むしろ良いことなのです。
そして、たとえ困難なことがあっても、昼と夜、暑いと寒いが交互に訪れるように、対立するものがあるからこそ、私たちはその価値や意味を感じることができます。ヘラクレイトスが言うように、対立があっても、それは美しいバランスを生み出すための一部なのです。
彼の考えは難しそうに見えますが、要は「変化を楽しみ、バランスを大事にする」ということなんですね。「変わることを恐れずに、今を楽しむ心」を教えてくれるヘラクレイトスの教え、これからもきっと役に立つでしょう!
・変化は成長のチャンス