この記事では「譲歩のas」と「thoughの書き換え」を解説します。
「譲歩のas」の語順は、「as省略+形容詞+as+SV」になり、目にしたことがある方もいるかもしれません。よく英語長文や和訳問題で問われます。
この「譲歩のas」は、なかなか「構造」が難しく、正確に理解するのが難しいですよね。また「訳し方」も悩ましいところ…
でも「譲歩のas」は問われるところは絞られますから、例文をゆっくり確認すれば、意外とスッキリ理解できますよ。
また「thoughの書き換え」は「型」がありますから、この型を覚えれば、スラスラ書けるようになるでしょう。
では「やさしい例文」で「譲歩のas」と「thoughの書き換え」を確認していきましょう。
- 「譲歩のas」の訳し方・使い方<
- 「thoughの書き換え」の方法
- 「譲歩のas」のパターン
目次(クリックでジャンプ)
譲歩の構文「名詞/形容詞/副詞+as SV」
まず譲歩をあらわす、「名詞/形容詞/副詞+as SV」の例文をみていきましょう。これは「(as)+形容詞/副詞+as」の最初の「as」が省略したものです。
Old man as he is, he looks very healthy.
「彼は年をとっているけれども、とても健康そうだ。」
Strange as it may sound, scientists think that it could happen again.
「奇妙に聞こえるかもしれないが、科学者はそれが再び起こるかもしれないと考えている。
Poor as she was, she was happy.
「彼女は貧しかったけれども、幸せでした。」
それぞれ例文では、asの前に「名詞、形容詞、副詞」がでてきています。「名詞/形容詞/副詞+as SV」構文は、譲歩で「〜だけれでも」という意味。
譲歩の意味をあらわす「as」では、asのまえに名詞、形容詞、副詞をだし、asのうしろにS+Vを置きます。特殊な語順になるんです。
この構文で、文頭に名詞がくるときには単数・無冠詞で使うことになっています。
【(as省略) + 形容詞 + as SV】の訳
→ Sは「形容詞」だけれども
→ 譲歩の意味になる
「譲歩のas」は「though」で書き換えできる
これらの構文は、「as」の代わりに「though」を使って表現できます。上記の3つの例文を「though」に書き換えしてみましょう。
Old man though he is…
Strange though it may sound…
Poor though she was….
【「名詞/形容詞/副詞 + as SV」】
① 意味は「〜だけれでも」
② asはthoughで書換え可能
譲歩の構文「as+形容詞/副詞+as」
この構文のなかで、asの前に形容詞と副詞がでてきたときには、もうひとつasを追加することがあるんです。語順は以下のようになります。
【「譲歩構文」の語順】
→「as+形容詞/副詞+as SV」
実際に例文をみて、イメージをつかんでいきましょう。
As clever as she was, she couldn’t solve the problem.
「彼は頭が良いけれども、その問題は解けなかった。」
例文を書き換えるとそれぞれ以下のようになります。
① Clever as she was…
② Clever though she was…
③ Though she was clever…
文頭のasがついても構文の意味はかわらず、譲歩「〜だけれども」です。譲歩の意味になる「as」は、もともと「比較構文」から派生したもの。だから文頭にasがつくのもなっとくできるでしょう。
【as + 形容詞 + as SV】の意味
→ Sは「形容詞」だけれども
→ 譲歩の意味
「as+形容詞/副詞+as」の形容詞2つのパターン
「as+形容詞/副詞+as」構文では、形容詞/副詞が2つ以上になることもあります。では例文で確認していきましょう。
As popular and entertaining as the sounds was, its heyday was short-lived.
「その曲は人々を楽しませ、人気があったけれども、その全盛期は短かった。」
「and」で形容詞2つ「popular」「entertaining」が並列されているのです。形容詞や副詞が2つあったとしても、大きな骨格「as+形容詞/副詞+as」を見失わないようにしましょう。
【「as+形容詞/副詞+as」構文】
→ 形容詞がandで並列されることアリ
「(as)+形容詞+副詞+as」のまとめ
以上のように、「(as)+形容詞+副詞+as」の構文では、譲歩「〜だけれでも」という意味になります。またひとつ目の「as」は省略することができるのです。
「(as)+形容詞+副詞+as」にくわしい本
「(as)+形容詞+副詞+as」の詳しい解説が読めるのは次のふたつ。
『学校で教えてくれない英文法』はあまり分厚くない本で、高校卒業〜大学生レベルのかたが読むのがおすすめ。もちろん「(as)+形容詞+副詞+as」について、みっちり解説されてありますからさらに理解が深まるでしょう。
学校であまり説明されないような、難しい英文につかわれている英文法事項を解説されてあります。かゆいところに手がとどく英文法・英文解釈の本です。
学校の英文法を習ったのに、英字新聞・洋書の内容がわからないというかたにピッタリです。
いっぽう『英文法詳解』は英文法書。分厚いです。そのぶん索引から調べて、わからないことがないくらいなんでも書いてあります。
絶版ですが、あまり値段が高騰していないときに買うのがいいでしょう。3000円以下でしたら「買い」です。
「(as)+形容詞+副詞+as」についても詳細な解説がありますし、なにより『英文法詳解』特徴は「自然な日本語に和訳するには」についてくわしく書かれているところ。
そのため和訳問題を苦手にしている人や、洋書・英字新聞を読んでいて内容がモヤモヤするかたにオススメできるでしょう。わたしは、「本書を手に取らない日がない」くらい重宝しています。