みなさんは「as+原級+as any other」と「A…比較級+than any other B」の違いがわかりますか?
ふたつの英文ともに最上級に近い英語表現ですが、それぞれ違いがあるのです。
しかもこのニュアンスの違いは、大学入試・英語試験でよく問われます。
【「比較を使った最上級」と「as+原級+as」】
→ この違いが難関大で問われる
→ 英検でも頻出のパート
そこで記事では「比較を使った最上級」と「as+原級+as」を使った最上級を解説していきます。
目次(クリックでジャンプ)
「as+原級+as any other」は意味、最上級に近い
「as+原級+as any other A」は最上級に近い意味です。
あくまで最上級に近いのであって、「最上級」ではありません。
これは「他のどのAにも劣らないくらい〜です」という意味です。
「as+原級+as any other A」の例文をみてみましょう。
【「as+原級+as any other A」の意味】
→ 「他のどのAにも劣らないくらい〜です」
「as+原級+as any other」はなぜ最上級?
「as+原級+as any other」はなぜ最上級に近い意味になるのでしょう?
まず例文をみていきます。
Hanako is as tall as any other girl in her class.
(花子はクラスのどの少女にも劣らず背が高い。)
例文の「any other girl in her class」は「彼女のクラスの、他のどんな少女にも」という意味です。
例文の「any other girl」のなかには、背が低い人もいれば、高い人もいるでしょう。
そのなかでも「花子以外で、いちばん背が高い少女と花子は同じ背の高さ」ということを言っています。
裏を返すと、身長の高さが同レベルの人がいることを示しているんです。
したがって「as+原級+as any other A」は、「他のどのAにも劣らないくらい〜」ということを表しています。
「劣らないくらい〜」という文言が、同レベルの人や物の存在を表しているんです。
つまり「彼女の背の高さ」は単独首位ではなくて、同率首位をあらわしています。
【「as+原級+as any other」】
→ 同率首位がいる
→ 最上級に近い表現
any otherの後ろはなぜ単数?複数?
any otherの後ろは、単数・複数名詞のどちらが置かれるのでしょう?
この点、any otherの後ろは、単数・複数名詞のどちらも置かれる可能性があります。
Hanako is as tall as any other girl in her class.
(花子はクラスのどの少女にも劣らず背が高い。)
上の例文では「as any other girl」のように「girl」が単数名詞で書かれてありますよね。
この場合は比べる対象が「花子と、クラスのそれぞれの女の子」なのです。
「それぞれ」というところがポイント。「クラスみんなの合計」ではありません。
それぞれですから「girl」と単数名詞で書かれているのです。
したがって「複数のもの」と「複数のもの」比べてる場合は、複数名詞が書かれることがあります。
ただし、英字新聞などで書かれているのはほとんどが「単数名詞」ですから、まずは「単数名詞」の英文を理解するといいでしょう。
【any otherの後ろは単数?複数?】
→ 単数のものを比べる場合、単数
→ 複数のものを比べる場合、複数
※単数名詞をつかう場合がほとんど
【他の英語最上級表現】比較級+than any other
比較級をつかった「英語の最上級表現」としては他に、「A…比較級+than any other B」があります。
「Aは他のどのBよりも〜です」という意味です。
「A…比較級+than any other B」の例文をみていきましょう。
【「A…比較級+than any other B」の意味】
→ 「Aは他のどのBよりも〜です」
「A…比較級+than any other B」の意味・例文
Hanako is taller than any other girl in her class.
花子はクラスのどの少女よりも背が高い。
例文では、「花子以外でいちばん背が高い少女よりも、花子はさらに背が高い」ということを表します。
「A…比較級+than any other B」と「as+原級+as any other A」の違いは、「同じくらいの身長の少女がいるかどうか」です。
「A…比較級+than any other B」は同じレベルの身長の少女がいません。花子の身長の高さは、単独首位なんです。
【英語の最上級表現まとめ】
①「as+原級+as any other A」
→ 同率首位
②「A…比較級+than any other B」
→ 単独首位
「比較級+any other+単数」はなぜ?
「比較級+any other+単数」では、なぜ「単数名詞」がつかわれているのでしょう?
この点は「as+原級+as any other+単数名詞」の場合と同じなのです。
Hanako is taller than any other girl in her class.
花子はクラスのどの少女よりも背が高い。
つまり、上の例文では「花子と、クラスの女子それぞれ」を比較しているため「単数名詞」を使っています。
「クラス中から、任意にひとり選び出した女子よりも、花子は背が高い」という意味なのです。
最上級がミックスされた英語例文
最上級の表現がミックスされた例文をみてみましょう。
上述した意味のちがいがわかれば、微妙なニュアンスを汲みとれますよ。
She is as tall as, if not taller than, any other girl in her class.
彼女はクラスのどの少女よりも背が高いというわけではないにしても、どの少女にも劣らず背が高い。
「if not taller than」は省略が起きています。
省略部分は「if (she is) not taller than (any other girl in her class)」です。
例文では、「as+原級+as any other A」と「A…比較級+than any other B」がくみあわさっていますね。
例文の意味は「背の高さは単独首位ではないにしても、同率首位です」ということをあわらしています。
【最上級の2つのミックス】
①「as+原級+as any other A」
②「A…比較級+than any other B」
→ ①と②のミックスあり
【最上級の英語例文】「学校で教えてくれない英文法」より
復習として、「学校で教えてくれない英文法」より、最上級の例文をみてみましょう。
These fresh water lakes form a waterway, which is as busy as, if not busier than, any other waterway in the world.
(これらの淡水湖は1 本の水路を形成しており、その水路は、世界の他のどの水路よりも船舶の通行量が多いというわけではないにしても、どの水路にも劣らぬ通行量を持っている。)
こちらの例文も、「as+原級+as any other A」と「A…比較級+than any other B」の複合問題になります。
最上級でもそれぞれニュアンスがちがう
「as+原級+as any other A」と「A…比較級+than any other B」は同じ意味のように感じられますが、ニュアンスが違いがあること気づいてもらえたかと思います。
「最上級の表現がミックスされた英語例文」でもわかるように、この違いをしっかりと理解しないと読めない英文もあるんです。
【最上級に近い英語】
→ 同率か?単独か?
→ そのニュアンスの違いが問われる