【映画「デトロイト」】警官は力がある。だから、レイシストだったら、ヤバくない?

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簡単なあらすじ(予告編でわかる範囲にとどめます。)

1967年に実際に発生したデトロイトの人種差別の暴動を元に作られている。さらに映画はこの暴動の最中に、アルジェ・モーテルで起きた事件にフォーカスを当てる。

アルジャ・モーテルには若き日のドラマスティックスのメンバーも宿泊していた。暴動の最中とあっても、その喧騒と離れモーテルの中で余暇を満喫していた。しかし、宿泊しているある人物が遊び心で、窓から暴動を警備している警官に向けておもちゃの銃で発砲してしまう。

この出来事が引き金となり、モーテルの宿泊者は警察から悲惨な尋問を受けることになる。人種差別の意識と警察官という職が尋問をさらに酷く加速させ、負が連鎖していくのだった。

オスカーが期待されているウィル・ポールターの演技に注目!!

差別主義者を演じるウィルポールターの会心の演技が恐ろしくゾッとする。警察官としての職権を乱用し、眉毛を釣り上げ暴力を振るう様はひどく生々しい。鑑賞中、無意識に緊張しヒリヒリした肌の感覚を覚え、彼に対しての憎悪が増幅していく。それほど、彼の演技は生々しく憎たらしい。

インタービュアーが彼に対していつもはナイスガイだけど、ことこの映画を観た後は彼を殴りたいと言っていたのには、私も同意せざるおえない。いやらしほど憎たらしい演技でした。

実際にあった事件を題材に作られた映画

実際の当時の映像も挿入され、現実感が増す。
日本に住んでいると人種的な対立に遭遇することはアメリカほど多くない。しかし、アメリカでは現在も進行している根深い問題で、白人警察が無実の黒人を発砲している映像が頻繁に流されている。

この映画が元にしている事件は50年前のものだが、それは現在も解決することができていない問題。
そして、移民を受け入れの議論が活発にされ、ヘイトスピーチが裁判された日本おいても通じる問題であるように感じる。

この問題は他の映画にも繋がる

例えば、「ニーナ・シモン 魂の歌」でも彼女はライフワークとして公民権運動に熱を入れていた。なぜ、彼女が歌手として成功していたにも関わらず、これほどまでこの活動に力を入れていたのかをデトロイトを鑑賞後だとさらに理解できる。

また、「殺人者への道」というドキュメンタリー映画でも警察は職権を乱用し、平気で証拠を捏造する。警察という職業は強制力を伴っているため、ときに正義を振り回し人間の悪のサイドをも発露させてしまう。デトロイトのシーンでも警察という職業は、個人が持っていた人種差別的な思考をさらに加速させ、黒人に対する違法な尋問や証拠捏造までつながる。

さらに「13th 憲法修正第13条」という映画でも示されたように、犯罪者として収監されている囚人に対する黒人の割合は40パーセント以上です。現在のアメリカの人口における黒人の割合は6パーセントぐらいだと言う。この人口割合から見ると、黒人囚人の割合は驚くほど高い。これは、デトロイトでも映し出されたように、根底には人種差別の意識が原因であるように感じる。

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