画像:variety
近未来のディストピア世界を描いた映画『エリジウム』。
監督のニール・ブロムカンプは大ヒット作『第9地区』を手がけていて、『エリジウム』も注目の作品としてみられています。
そこで当記事では『エリジウム』はネタバレ・あらすじ・配信について解説します。また『エリジウム』はつまらない?、についてもみていきましょう。
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目次(クリックでジャンプ)
キャスト
映画「エリジウム」のキャストはつぎのとおり。
【「エリジウム」のキャスト】
・マックス(マット・デイモン)
・ジェシカ(ジョディ・フォスター)
・クルーガー(シャールト・コプリー)
・スパイダー(ヴァグネル・モウラ)
・フレイ(アリシー・ブラガ)
・フリオ(ディエゴ・ルナ)
上映時間
映画「エリジウム」の上映時間は1 時間 49 分です。
評価
映画「エリジウム」の評価は、Rotten Tomatoesは批評家支持率は68%。IMDbでは6.6と、まずまずの評価を映画「エリジウム」は受けています。
本作の監督がてがけた前作『第9地区』と似ているのです。前作が好きな人なら、きっと好きなストーリーといえるでしょう。
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映画「エリジウム」のあらすじ
「エリジウム」の舞台は2154年の荒廃した地球。病気、犯罪、非人道的な行為がはびこっています。
季節は夏だろうか。じりじりした日照りのなか、ロボットが警察のように治安しています。
取り締まられるのは貧民。ロボットは感情がありません。
無秩序に取り締まりする、まさに世紀末。人間よりもタチが悪いかもしれない。ロボットには冗談は通じないから。
ロボットが官僚的に貧しい人びとを取り締まりをつづけているディストピアな空間です。
【「エリジウム」の世界】
→ ロボットが支配する
→ 官僚制の歪みアリ
→ ディストピア
かたや、空を隔てて「エリジウム」が。そこでは病気、犯罪などが存在しない、ユートピア。
裕福なもの、「持てる者」のみが「エリジウム」に暮らすのを許されているのです。
すさんだ地上に住むのが主人公マックス(マット・デイモン)。
マックスが幼いとき、「エリジウム」に行けるのを夢見ていました。
いまは過酷な工場で働く日々。そんなとき工場で原発での放射能事故にまきこまれ、余命が数日しかなくなってしまいます。
マックスが生き残るすべはひとつしかありません。「エリジウム」で先進医療を受けること。マックスは「エリジウム」へ、歩みをはじめます。
【エリジウムの上の世界】
→ 空の上にはユートピア
→ 空の下にはディストピア
→ 格差社会
映画「エリジウム」の感想
『マッドマックス』や『ブレードランナー』を合わせたような、空間が堪能できました。
地上では人々はつかれはて、犯罪、病気などあらゆる悪いことがはびこっているのです。
その世界は『マッドマックス』とリンクしたのは私だけじゃないでしょう。
上空にはユートピア「エリジウム」が広がっています。こうした荒廃した土地と先進的な空間がミックスされているのは『ブレードランナー』にみえてしかたがありません。
このような古いものと新しいものが同居した空間は、新宿のゴールデン街や思い出横丁を思い起こすかたもいるでしょう。
【「エリジウム」の世界観】
→ 『マッドマックス』
→ 『ブレードランナー』
映画「エリジウム」のネタバレ
自分の命を救うためふっ切れたかのように、マックス(マット・デイモン)が力強く歩みをはじめてから、あっという間に感じるほどでした。
それくらい中盤からグングンストーリーが広がっていくように思えます。
自分の命を救うためだったが、中盤から幼い時に夢見た「階層の解消」にまで物語が連動するのが爽快。
物語りといえども、今日の「階層の不公平」と重なってみえました。
【映画エリジウムのネタバレ】
→ 中盤からラスト、急展開?
ラスト・結末
映画「エリジウム」のラスト・結末の場面で、マックスは瀕死の状態。クルーガーとの戦いで死にかかっています。
クルーガーを倒して、やることはこれだけ、データーをダウンロードするのみ。階層間の不公平をまっさらにするデータを。
データを完了した途端、地上の人々にも、先進の医療が提供されていくようになります。貧しいひとが平等・自由を手にいれた瞬間です。マックスの死と引き換えに。
【「エリジウム」のラスト】
→ 不公平なデータを全消去?
映画「エリジウム」の考察
「エリジウム」の監督「ニール・ブロムカンプ」は前作『第9地区』では人種差別や格差を題材に、寓話を織り交ぜて、ストーリーを展開していました。
今作の「エリジウム」でも、監督は前作同様、人種差別や格差をテーマにしているように思えてなりません。映画「エリジウム」は『第9地区』と類似していると言えます。
【監督ニール・ブロムカンプ】
→ 南アフリカ出身
→ 人種隔離・人種差別あった
→ アパルトヘイト制度あった
本作でも、「エリジウム」に住めるものは生まれつき決まっています。固定化された階層ができあがっているのです。
階層間の流動性はありません。生まれたときの階層ですべてがきまってしまいます。
階層間の柔軟さがないのは、現代にも通じているといえるでしょう。
資産がある家の子どもは、裕福になる比率が高く、持たざるもの子どもは過酷な労働に追いやられる傾向です。
アメリカでもコロナ禍でエッセンシャルワーカーを担っているのは、貧困層が多い移民してきた人たち。
危険で重要な労働をさせられているのは、豊かな人々ではなく、貧しい人たちが支えています。
【アパルトヘイト制度に似てる?】
→ 生まれつきの格差アリ
→ 持つ者・持たざる者が隔絶
現代では、「エリジウム」ほど階層の不公平さが顕著にはみえませんが、それがいっそうこの問題を深刻にしているともいるでしょう。
階層の不公平さがモザイク状で見えにくいから、声をあげにくいんです。それに階層間のかたよりに気づかない人も多いことでしょう。
また空を隔ててディストピアとユートピアが広がっているのは、アメリカとメキシコの壁にもリンクするかもしれません。
移民を頑なに拒否する国防長官(ジョディ・フォスター)の姿は、トランプ元大統領にダブって見えるかたもいるでしょう。
【エリジウムの考察】
→ 持てるもの・持たざる者の世界
→ 階層社会
→ 現代社会にも通じる世界
映画「エリジウム」の疑問
映画「エリジウム」の疑問としては、とにかく二項対立のストーリー。
持てる者と持たざる者との闘争というシナリオに疑問の余地があるかもしれません。
複雑にしないために、シンプルにしたのかも。が、悪い人も良い人も、ハッキリと二極化したものではなく、葛藤した心情をもったものがいてもよかったかもしれません。
現実の世界でも、一面では良い人で、他の面では悪い人もいますから。
【エリジウムの疑問】
→ 二項対立のストーリー
→ 良い人悪い人がハッキリ
→ 現実はそうハッキリしない?
映画「エリジウム」はつまらない?
映画「エリジウム」はつまらないと感じる人もいるようです。
映画「エリジウム」はつまらないと思う原因はそのストーリーにあるのかもしれません。空を隔てて、天国と地獄が広がっているという筋書が。
そこで、この物語りを自分の立場とリンクさせるといいのではないかと思います。
格差や階層間の違いを感じることは、職場や学校で多いのではないでしょうか。そのような視点からみると、マックスが不公平へと抗う姿をハラハラ見られるはず。
【映画「エリジウム」はつまらない?】
→ 寓話を現実世界とリンクできない?
→ 比喩を自分の世界につなげると?
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町山さんの評論
映画「エリジウム」を映画評論家の町山さんが解説しています。つぎのリンクよりお聴きいただけます。