ネットフリックスオリジナルの作品「FはFamilyのF」は、マーフィー家族の生活をユーモアラスに描いています。一つのエピソードの中でもマーフィー家族が感情豊かに泣き叫び表現するので、騒がしくも心を揺さぶられる作品。
主人公は5人のマーフィー家族のお父さんビル。家長らしく時には怒鳴り時には泣き、家族を引っ張っていこうと奮闘する。
家族の口から汚い言葉が幾度となく発せられるが、どこか憎めない。家族のみんなが必死に生きていくためにぶつかり合いながらも、まっすぐに生きようとしているから。
ビルは短気で不器用だけど、家族のためによりよく生きるため、必死に食らいつく
マーフィー家は70年代のアメリカに暮らしていて、この時代のマジョリティの中産階級に属している。
ビルについて言えば、少し禿げてきていて少し短気。家の家長という役割を果たしながらも、職場では中間管理職として労働者と経営側との板挟みで四苦八苦。彼は時には経営者を神のように崇め、時には労働者の代弁者として経営者に刃向かう少し正義感がある男。
70年代アメリカの中産階級の生活感を味わうことができる
この作品を観ていると、70年代の雰囲気がそこかしこから香ってくる。当作品のクリエイターのビルは70年代の自身の体験を反映させていることを示唆している。この作品はリアルな70年代アメリカの生の体験から描いていると言える。
70年代の人種間の不平等だったり、当時のお酒やお薬事情など、女性の職場での不公平など、どれもセンシティブな話題だが、ブラックユーモアで語られる。どの話題も現状よりも、状況がひどく驚かされることばかり。
このような不正義がはびこる時代だったから、ビルの口うるさく汚い言葉を使いながら、子供たちをしつけていくスタイルも受け入れられていたのかもしれない。
今ではあまりみられない他の家族の前で大声で罵り合うことが、本当に起きていたことなのか疑問であった。
しかし、作品を観て社会背景を理解していくうちに、このような激動の時代に生き抜くために激しく罵ることが必要であったのかもしれないとさえ思えてきました。
以下の、Netflixの配信作品をあれこれご紹介!ネトフリのネタフリ Vol.1でも当作品が紹介されています。