家で仕事したり大学の講義を受けたりできるようになりました。このながれは強くなり、報告書やレポートのやりとりがますます多くなるでしょう。「正確に書くこと」のニーズもさらに高まるとみられます。
でも報告書やレポートの書きかたって、あまり教えてもらえませんよね。わたしも大学や職場で教えてもらった記憶がないです。「日本語だから、やりながら覚えろ」という大学や職場が多いかと思います。
日本語だからへいきへいきと思い、報告書やレポートを出すとたいへんなことに…上司や先生から「わかりにくい」、「もっと正確に書いて」などの指導を受けるはめに…日本人とはいえ、急にに「書け」と言われても慌てるのはとうぜんです。なぜかというと、「書く」ときに大切な「文章の型」を身につけてないから。
わかりやすく文章を書くことを身につけるには、新聞からならスーッと学べます。新聞記者は「わかりやすく」、「正確に」、「早く」書くことを続けているため。そのノウハウがつまっています。「文章の型」を知っているから、すらすらとペンを走らせることができるんです。そんな新聞記者から「文章の型」を学べる本が、「迷わず書ける記者式文章術:プロが実践する4つのパターン」。
【本書で学べること】
・新聞記者式のわかりやすく、正確に、はやく「書く型」
・おもしろい文章を書くためのテーマ選び
【本書をオススメしたいかた】
・レポートの書き方がわからない大学新入生
・報告書をサっと片づけたい新入社員
・おもしろいネタをさがしているブロガー
ブログを書く人にとっても、本書で学べることは多いと思います。ブログも新聞も文の骨格を同じなんです。だから新聞記者から文の骨格を学ぶと、執筆のスピードがぐんぐんあがりますよ。当記事では、「迷わず書ける記者式文章術:プロが実践する4つのパターン」のおすすめポイントを紹介します。
目次(クリックでジャンプ)
「はやく書くコツ」は、優先順位をつける
はやく書くには、優先順位をつけることが大切。本書では以下のように、優先順位をつけています。
1 書くべき内容を明確にし、2 構成を考え、3 とりあえず全体を書き、4 推敲して文を整える
ここで大切なのは、「3とりあえず全体を書く」です。いったん書いてしまえば、文を修正するのは簡単なため。はじめからいい文章を書こうと力まずに、ひとまずざっと書くくらいの気持ちのほうが早くかけます。本書でも
いったん書き終えてしまえば、わかりやすく書き直す作業は、それほど難しくありません。
と言われています。
優先順位の4つ、それぞれについても本書でくわしく解説されています。
「読ませる文章の書き方」は、「発想法」
レポートや報告書を、「自由に書いて」と言われたら困るひとも多いはず。読ませる文章を書くカギは、「テーマ」の選びかた。面白いテーマをみつけるには、本書の「3つの発想法」が役に立ちます。
「3つの発想法」
・1 逆張りの発想
・2 掛け算の発想
・3 逆転の発想
「1 逆張りの発想」は、一般的に信じられていることとは逆の発想をすること。この逆の発想がすこしでも正しい面があればニュースになり、おもしろいテーマとなりえます。
「2 掛け算の発想」とは、「一見、関係なさそうな要素と組み合わせるという発想法」です。「新聞」をテーマに選んで考えると、「ネコ」だとか「2020年東京五輪」を組み合わせます。関係なさそうな単語ほど、おもしろいつながりを発見できることが多いそう。このつながりから発展させて、「ネコは新聞の敵か味方か」というテーマを引き出すこともできるでしょう。
ブログや論文では、ほかのブログ・論文とちがう視点をもてるかがカギなので重宝するはず。他のテーマと差別化できれば、おもしろい文章にもつながり、はてはアクセスアップにもつながります。また筆者によると避けたほうがいいこととして、「とりあえずとりあえずネットで調べる」をあげています。理由は
グーグルなどの検索エンジンは、最も多くの人が読んだサイトや、最も多くの人が必要としている情報を表示するシステムだからです。
多くの人が読んだ記事で調べものをしても、新しい視点はみつけられません。面白くて意外な記事を書くときにこそ、発想法をつかい「自分で考えること」がもとめられるでしょう。
読みやすい表現には、「書き方の基本」が大切
本書5、6章では「わかりやすく、正確な」文を書くためのエキスがぎゅっとつまっています。
「読みやすい文を書く3原則」とは
「書き方の基本」として、本書では「読みやすい文を書く3原則」として以下が挙げられています。
① 1文は40字以内、最長でも60字以内で書く。
② 説明したり主張したりすることは1文につき1つに絞る。
③ 受け身形(受動態)を使わない。
この原則は、「③とりあえず全体を書き、④推敲して文を整える」のなかで気をつけなければなりません。ザッと書くときにここだけでも気をつければ、書きなおしの数を少なくできるでしょう。
文末表現で、客観性をプラス
論文や報告書には、わかりやすさと正確性がもとめられます。「〜と思う」といった主観的な表現は避けなければなりません。たとえば「伝聞」をあらわすには
「〜によると〜だ」「〜は〜としている」「〜によると〜という」などの表現を使うのです。
と書かれています。また「推測」についても
「〜とみられる」「〜の可能性が高い」「〜の懸念がある」といった表現を使います。
としています。
「文章の書き方」を学ぶと、すらすら書ける
このように、本書は「文章の型」を身につけるためのコツがていねいに説明されています。「優先順位」と「発想法」を意識するだけでも、他にないユニークな文を書けるようアシストしてくれるはずです。ブログの記事がどうしても書けないというときに、本書をパラパラめくってヒントを求めています。読むと不思議とあたらしい視点がパッと浮かぶことがあります。手もとに置いておくと、きっと役に立つ心強い本です。