英語ができる人にオススメの参考書を聞くと、「英文解釈教室」といわれたことありませんか?オススメされるわりには、通読した人が少ないですよね。
その理由は「英文解釈教室(伊藤和夫著)」はとても難しいため。だからどんな本なのかがわかっていない人がおおいはず。
「英文解釈教室(伊藤和夫著)」の効果
→ 読めない英文がほぼなくなる
「英文解釈教室」の効果を端的にいうと、読めない英文がほぼなくなります。この記事を読めばきっと本書を読みたくなるはず。
そこで、当記事では「英文解釈教室(研究社)」について紹介していきます。
【本記事でわかること】
・「英文解釈教室」の効果
・「英文解釈教室」の難易度
・「英文解釈教室」のレイアウト
・「英文解釈教室」の効果的な使い方・勉強方法
・「英文解釈教室」での悩み。その解決法
「英文解釈教室」の効果
英文解釈の効果はつぎのようなものがあります。
【英文解釈の効果】
精読力アップ
正確に読めるから速く読める
洋書が英字新聞が読める
「英文解釈教室(伊藤和夫著)」の口コミは高く、スタディサプリの関正生先生も推薦してるんです。関先生は、ほかにも伊藤和夫「ビジュアル英文解釈」にも言及されていますね。
「英文解釈教室」のレベル
「英文解釈教室(研究社)」のレベルを、それぞれの試験の観点からみていきます。
英検1級、英検準1級
英検1級・toeflのリーディング試験は、TOEICなどと比べて難しいものが多いんです。英文の構造がわかっていないと問題が解けないものが多くあります。
そのため英検1級やtoeflに「英文解釈教室」はオススメできます。とくに英検1級では正確な英文読解がもとめられるから、「英文解釈教室」で読解力をきたえなければなりません。
同様に、むずかしい英文を読まなければならない留学生にも「英文解釈教室」はいい参考書といえるでしょう。
【英文解釈教室の効果】
→ 英検1級の英文が読める
→ toeflリーディングが得意に
TOEIC
TOEICの試験では、かならずしも「英文解釈教室」が必要とはいいきれません。というのもTOEIC試験は、「難しい英文を読む能力」よりも「簡単な英文を素早く読む力」をはかる試験のため。
【TOEIC試験について】
→ 易しい英文を速く読む技術
→ 難しい英文はでない
そのため「英文解釈教室」をものにできれば、もちろんTOEICスコアは上がります。でも求められる技術が違うので、「英文解釈教室」つかっても思ったよりもTOEICスコアの伸びはひくいでしょう。
それよりもTOEICレベルの英文をたくさん読んで、リーディングスピードを上げたほうがスコアは伸びます。
得点を上げるのに有効なのはTOEIC模試です。これらが終わって、TOEIC勉強がマンネリ化したときに「英文解釈教室」いいかもしれません。
なお、おすすめTOEIC参考書については5つだけ!【TOEIC800点突破】おすすめ参考書|初心者〜大学生で紹介しています。
①TOEIC対策には模擬問題集を
→TOEICと英文解釈教室は傾向異なる
②模試後、英文解釈教室がイイ
→TOEICのマンネリに英文解釈教室
【「英文解釈教室」の対象】
→ TOEICスコア600点から
洋書・英字新聞
「英文解釈教室」は大人、洋書(ペーパーバック)や英字新聞を読みたいかたにオススメできます。その理由は、洋書や英字新聞にはネイティブレベルの正確なリーディングが要求されるから。
具体的にいうと、洋書や英字新聞では、読み手(ネイティブ)を飽きさせないために、巧みな文章が書かれます。そのうまい英文には「倒置」や「比較」など難しいパートがとうぜん含まれるのです。
【洋書・英字新聞の英文】
→ 難解な英文が多い
→ 高い英文解釈力が必要
つまり、読み手がネイティブの洋書やペーパーバックには高い英文解釈力がもとめられるということ。高い英文読解を身につけたい大人に「英文解釈教室」がオススメなんです。
このレベルの英語参考書は限られており、他には「英文解体新書」などしかありません。
その高レベルの参考書のなかでも、いちばん歴史があるのが「英文解釈教室」。これ一冊やっておけば間違いがないんです。
【「英文解釈教室」の効果】
→ ネイティブの英文が読解できる
英語を再び学習する社会人
英語学習にブランクがある社会人に、「英文解釈教室」はオススメできません。すくなくとも1冊目にやるのは避けておいたほうがいいでしょう。
というのも、これから英語を始めようとする社会人には、英語のベースとなる英文法を学んだほうがコスパがいいため。基礎からしっかり積み上げていったほうが学習の効果が高いのです。
英語初心者の社会人が「英文解釈教室」を手に取ることは、サッカー初心者がプロの練習に参加するようなものです。かなりの無謀なこと。基礎練からやっほうが上達ははやいでしょう。
なお、英語初心者におすすめの「英文解釈参考書」は、【超・英文解釈マニュアル】たった12公式、読解、爆速!|レベル・使い方で紹介しています。
【英語初心者と英文解釈教室】
→ 難しすぎる
→ まずは英文法を
東大、京大、阪大などの旧帝大
東大、京大、阪大、一橋などの旧帝大を目指す受験生には「英文解釈教室」はオススメできます。東大、京大、阪大は「正確な読み」が必要な問題が多いですよね。
東大、京大、阪大、一橋のような骨太の問題を出すところには、高レベルの「英文解釈教室」が相性がいいでしょう。とくに下線部和訳など英文解釈力がもとめられる問題を解くときに、「英文解釈教室」は力を発揮します。
同様に、「英文解釈教室」は医学部のような難しい英文が出題される大学を受けるかたにもオススメできるでしょう。
ただ、それぞれの大学の出題傾向は同じではありません。そのため和訳が出題されるなど、難易度の高い医学部を受ける人に「英文解釈教室」はいいかと思います。
また「英文解釈教室」は薄い本ではありませんので、やり抜くには時間もかかります。そのため、オーバーワークにならないよう、注意が必要です。
「英文解釈教室」と旧帝大
→ 相性はいい
→ 英語試験が難しい大学に○
早稲田や慶応、いわゆる早慶
早稲田や慶応、いわゆる早慶の受験生には、「英文解釈教室」は手放しでオススメはできません。レベルが高すぎるうえに、早稲田や慶応の試験との相性もあまりよくないため。
というのも早稲田や慶応(早慶)は、どちらかというと英語長文を多く読ませるほうに試験問題がシフトしていますよね。
【早稲田・慶応の英語試験】
→ 英語を速く読む力がいる
ほかの私大でもその傾向が高まりつつあります。そのため早稲田や慶応を目指す受験生の中でも、時間に余裕がある人なら「英文解釈教室」に挑戦してもいいかもしれません。
また下線部和訳などの英語構造をふかく問われる受験校志望のかたにも、「英文解釈教室」はオススメできます。
【早稲田・慶応と「英文解釈教室」】
→ 時間に余裕がある人にはイイ
大学院入試
大学院入試にも、「英文解釈教室」はオススメできます。大学入試は下線部和訳を問われることが多いですよね。これに「英文解釈教室」が効きます。
下線部和訳はしっかりと英文構造をわかっていないと解けませんから、この能力をググッと引き上げる「英文解釈教室」はぴったりなんです。
【大学院入試と「英文解釈教室」】
→ 大学院入試は複雑な英文が出題する
→ 難解な英文読解に英文解釈教室は◎
「英文解釈教室」のレイアウト
「英文解釈教室」のレイアウトは、チャプターごとにテーマが決まっています。
つぎの目次をみてもらえばわかるように、チャプターごとに「Chapter5 倒置形」や「Chapter13 比較の特殊問題」のようにテーマがあります。
「英文解釈教室」Kindle版(電子書籍)では、試し読みできますからレイアウトを確認できるでしょう。「英文解釈教室」はCD音声は付いていませんが、Kindle版で読み上げ機能でおぎなえます。
「英文解釈教室」の目次について
「英文解釈教室」の目次を以下、すこし紹介します。
はしがき
改訂版へのはしがき
Chapter 1 主語と動詞
(1) S … V (1)
(2) S … V (2)
(3) (S+S)+V
(4) To 不定詞、etc. … V
Chapter 2 目的補語
(1) 第5文型の意味
(2) 目的補語の形態
(3) 目的補語の識別
Chapter 3 that 節
(1) 名詞節と接続詞
(2) that 節 ―― 名詞節
(3) 名詞+that 節
(4) that 節 ―― 副詞節
Chapter 4 what 節
(1) what ――関係 [疑問] 代名詞
(2) what 節の特殊構文
(3) what ―― 疑問 [関係] 形容詞
Chapter 5 倒置形
(1) 否定の副詞 +(v)+S+V
(2) M+V+S,+etc….
(3) O+S+V
(4) 特殊構文の倒置形
Chapter 6 同格構文
(1) H+A
(2) A=代名詞、etc.
(3) H=不定詞、what 節、etc.
(4) 副詞的目的格
Chapter 7 It … that …
(1) It+V+that
(2) It(形式主語)… 名詞節
(3) 強調構文
基本的なレイアウト
大まかな「英文解釈教室」のながれは次のとおり。
1 テーマの解説
→(名詞節と接続詞)など
2 例文(60ワード前後)を5題ほど
3 例題(250ワード前後)
このように「英文解釈教室」は1〜3を繰り返して進んでいきます。「英文解釈教室」の解説は豊富だから、ほとんど不明なところはでないはず。
もしわからないところがあるなら、ジーニアス総合英語などの英文法書があれば解決するでしょう。
また練習例文は「例題」のためのステップとして位置づけられていて、難易度は高くはありません。
「英文解釈教室」では例題がいちばん難易度が高く設定してあります。そのため「英文解釈教室」の順番にそうことで、自然と英文読解の力がついていくのです。
ページ数と網羅性
「英文解釈教室」のページ数は314ページ、網羅性はかなり高いといえます。「英文解釈教室」は語彙や英単語のレベルも高く、通読できれば英文解釈はほぼ完成までもっていけるでしょう。
【ページ数比較】
①英文解体新書:274ページ
②英文読解の透視図:236ページ
③ポレポレ英文読解プロセス:129ページ
④英文解釈教室:314ページ
このように他の英文解釈参考書と比べても、ページ数はいちばん多くあります。
問題数
「英文解釈教室」のはっきりとした問題数はわかりませんが、推定300題(例文+例題)あります。
問題数を30ページまで数えると、29題ありました。そこからの推定です。
はしがき
「英文解釈教室」のはしがきには、目指していることが完結にのべられています。一部引用します。
筆者が本書で試みたのは、英語を形から考える練習、つまり、英語を読んでいるかぎり決してそこからはなれることができない基本的な約束を明らかにすることから出発し、その原則に基づいて英語の構造を分析し、読者とともに考えることを通して、英語を読む際に具体的には頭はどのように働くのか、また働くべきなのかを解明することである。
「英文解釈教室」のはしがきはつまり、「ネイティブが読むように読む」ということだと思います。そこを緻密に言語化しているのです。
あとがき
「英文解釈教室」のあとがきには、通読したあとにどのように勉強したらいいかがのべられています。それは2つあり、一部を引用して紹介します。
1つはもう一度この本を読み返すことである。どんな書物でも1回読んだだけでその全部を汲みつくせるものではない。
2つ目の勉強方法は以下です。
第2の道は、この書物から得た知識をもとに、原書を読む道、自分は見たいとかねがね思っていた本を読む道へ踏み出すことである。
「英文解釈教室」のあとがきにもあるように、もういちど通読するか、原書を読むかの2パターンの勉強法があるようです。
【『英文解釈教室』後の勉強法】
→ 本書をもういちど通読
→ 洋書に挑戦
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「英文解釈教室」の使い方・勉強法
「英文解釈教室」の使い方・勉強法について、パートごとに紹介していきます。
レベルに合わせて問題選び
「英文解釈教室」の使い方としては、みなさんレベルに合わせての問題を選ぶいいでしょう。
「英文解釈教室」は問題が多く、オーバーワークになりかねませんから。これはいい面でもあるのですが、悪い面でもあります。
「英文解釈教室」
→ 問題数多い
→ オーバーワークに注意
二周目のとき、一回目の記憶が飛んでしまって、イチから勉強することにならないようにしましょう。
挫折しないため、まず「英文解釈教室の練習例文」だけを解くことをオススメ。これだけでもかなりの力がつきます。
「例題」は難易度が高いため、難しかたは3周目くらいまでは飛ばしてしまってかまいません。
「英文解釈教室」の使い方
→ 練習例文だけ解く
→ 例題は後回し
翻訳家の解説がある
『英文解釈教室』を翻訳家(柴田耕太郎氏)が研究社のサイトで解説されています。
図が効果的に差し込まれているので、視覚的にわかりやすいんです。副詞句や形容詞句がどこにかかるかなどが、より理解しやすいでしょう。
通読にかかる時間
わたしは高校3年の夏を過ぎたあたりに、はじめて「英文解釈教室」をやったのを覚えています。そのときは「英文解釈教室」の通読に1ヶ月半くらいかかりました。
ただ、いちど通読できれば一回の通読にかかる時間はどんどん短くなるのです。わたしは今では2週間で一周するくらいのペースで読めます。
「英文解釈教室」の改訂版は新装版と違い、kindle版もあるため、スキマ時間にちょこちょこ取り組むといいでしょう。
何周すればいいか?
「英文解釈教室」は何周すればいいか、については最低2週はやってほしいです。というのもかなり分量がおおいぶん、繰り返さないと身につかないため。
志望校や目標とする英語レベルに合わせて、「英文解釈教室」を何周やるかは決めるといいでしょう。
「英文解釈教室」は何周すべきか?
→ 最低2周はやりたい
「英文解釈教室」に関する「悩みアレコレ」
「英文解釈教室」に関する悩みについて項目別にみていきましょう。
英文解釈教室が「難しい、難しすぎる」
英文解釈教室が「難しい、難しすぎる」というかたがいるかと思います。たしかに英文解釈教室には簡単な問題はありません。
そんなかたは、だいたいこんなかたが多いんじゃないでしょうか?
・節と句の区別がわからない
・副詞節が何かわからない
これらの区別や正確な知識なしで、英文解釈教室は挫折しかねません。
というのも、「節と句」や「副詞節」の知識はあるという前提で、解説は進められるため。前提がわからないと、解説もわからないのです。
そんなときは自分のレベルに合う英文法の問題集にもどることをオススメします。『仲本の英文法倶楽部』で文法用語がわかるようにしておくといいでしょう。
また、参照用に『ジーニアス総合英語』があると、英語学習がスムーズにすすむのです。わからない文法事項があれば、『ジーニアス総合英語』を開いてみるとかならず答えが見つかりますよ。
【「英文解釈教室」が難しいとき】
→易しい参考書から取組む
2つめの「英文解釈教室」が「難しい、難しすぎる」パターンは、英文解釈の知識が足りないとき。
「英文解釈教室」は英文解釈の基礎については説明しません。基礎の知識は省き、エッセンスを解説していくのです。
そのため「英文解釈教室」を読んでいて難しすぎると感じるかたは、まずレベルの低い英文解釈本からはじめてみるとスムーズにいくはずです。
「英文解釈教室」よりもやさしい本だと、「ポレポレ英文読解プロセス50」や「英文読解の透視図」があげられるでしょう。
「英文解釈教室」が不要な人
「英文解釈教室」が不要なんじゃないかと不安になるかたがよくいらっしゃいます。
そんな方にまず伝えたいのは、「英文解釈教室」を通読できれば本当の英語力が手にはいるということ。
でもそんな高い英語力が必要ないというかたもいるかもしれません。そのためつぎのようなかたは必ずしも「英文解釈教室」をやらなくていいでしょう。
【「英文解釈教室」が不要な人】
①TOEICのスコアアップしたい
→ 模試が効率的
②旧帝大以外の受験生
③難しい下線部和訳が出題されない
「英文解釈教室」がつらい人
「英文解釈教室」がつらい人と感じるかたも多いようです。
その理由はレベルの高さもありますが、解説のカタイ表現にもあるように感じます。参考書にもみなさんとの相性があるのです。
したがって「英文解釈教室」と相性がわるいと感じたら、同じレベルの英文解釈の本にうつってもいいかと思います。そのときの選択肢はつぎの本があげられます。
①英文解体新書
②英文読解の原則125
→ 参考記事:『英文読解の原則125』読むコツのすべて|比較・使い方・難易度
③越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文
「英文解釈教室」を取り組むまでの順番
「英文解釈教室」を取り組むまでの順番としては、「ビジュアル英文解釈」をやってからこちらにうつるといいでしょう。著者はどちらも伊藤和夫氏ですから、スムーズに勉強できるでしょう。
「英文解釈教室」の「英文は古い?」
「英文解釈教室」の「英文は古い?」かというと「古い」です。時代遅れとの声さえありますね。ただそれがダメなことかというと、そうは思いません。
というのも英文は古いものもありますが、「古すぎてこの表現つかわない」というようなものはないため。どれも今でも使われる、英語のエッセンスが詰まった英文ばかりです。
つまり「英文解釈教室」をものにできれば、現代に書かれた小説や英字新聞が読めるようになります。
「英文解釈教室」の英文
→ 英語のエッセンスがいっぱい
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